試験の仕組み:科目Aと科目B、両方600点

合格対策

基本情報技術者試験|合格対策

試験の仕組み:科目Aと科目B、両方600点

このブログでは、シラバスの分野を1つずつ解説してきました。 読んで意味が分かるところまでは、あれで足ります。 けれど受験を決めたあとに要るのは、決まった時間で解き切る段取りです。

今回から始まる合格対策シリーズは、その段取りを扱います。 1本目は試験そのものの形です。 何問出て、何分あって、どこまで取れば合格になるのか。 ここを取り違えると、時間の使い方が最後までずれます。

先に結論を1文で言っておきます。 科目Aと科目Bを同じ日に受けて、どちらの評価点も600点以上になったときに合格です。 片方がどれだけ高くても、もう片方が届かなければ合格にはなりません。

この記事の数字は、IPAの試験要綱に書かれている値と、そこから割り算して出した目安、それに配分のためにこの記事が置いた時間です。 置いた時間はそのつど断ります。 うろ覚えが一番あぶないので、気になったら要綱そのものを見てください。

図1 90分と100分、そのあいだに最長10分。1日でここまで進みます

図1:90分と100分、そのあいだに最長10分。1日でここまで進みます。

まず結論:この章の用語

用語意味
科目A90分・60問。多肢選択式(四肢択一)で、知識を問う
科目B100分・20問。多肢選択式で、技能を問う
出題数画面に出てくる問題の数。科目Aは60、科目Bは20
評価に使う問数採点に反映される問数。科目Aは56問、科目Bは19問
配点科目A・科目Bとも1,000点満点
評価点解答の結果から出される、その科目の点数
基準点合格に必要な評価点の線。どちらの科目も600点
IRT項目応答理論。評価点を出すときのよりどころ
素点何問正解したかで数えた点。評価点とは別の目盛り
CBT方式コンピュータを用いる方式のこと
随時実施決まった期日を待たず、都度受けられる形
一部免除制度科目Aが対象になっている制度

この章のゴール
出題数・時間・満点・基準点を口で言えて、素点と評価点を混ぜずに説明できることです。

1. 2つの科目を、同じ日に受ける

図2 1問にかけられる時間が、科目Aと科目Bでまるで違います

図2:1問にかけられる時間が、科目Aと科目Bでまるで違います。

試験は2つに分かれています。 科目Aが90分で60問、科目Bが100分で20問。 どちらも多肢選択式で、科目Aは四肢択一です。 要綱の言い方では、科目Aは知識を問い、科目Bは技能を問います。 この2つは同じ日に実施され、別の日に分けて受けるものではありません。

最初に気づいてほしいのが、1問あたりの時間がまるで違うことです。 割り算の目安では科目Aが1問1分30秒、科目Bが1問5分で、3倍以上の差があります。 同じ多肢選択式でも、読む量と手を動かす量が違うからです。

2. 出題数と、評価に使う問数

図3 出題数と、評価に使う問数は別の数字です

図3:出題数と、評価に使う問数は別の数字です。

画面に出てくる問題の数と、採点に反映される問題の数は同じではありません。

科目Aは60問出て、評価は56問で行われます。 あとの4問は、これから出す問題のできぐあいを測るために置かれています。 科目Bは20問出て評価は19問で、あとの1問は同じ役目です。

では、その4問と1問をどう扱うか。 要綱には、どれが評価に使われるかを受験者に示す記述はありません。 書かれていないことを当てにするのは危ないので、見分けて飛ばせる前提は置かないほうが安全です。 60問と20問を全部解くつもりで時間を配ります。

では何のために覚えるのか。 60問のうち何問正解したか、という数え方から離れるためです。 このあとの600点の話が正解数の割り算ではないことを、先に見ておきます。

3. 科目Bの中身は、16と4

図4 科目Bの20問は、16と4に分かれています

図4:科目Bの20問は、16と4に分かれています。

科目Bの20問には、分野ごとの内訳があります。 アルゴリズムとプログラミングが16問、情報セキュリティが4問です。

この比は、勉強の配り方をそのまま決めてくれます。 20問のうち16問はアルゴリズムとプログラミングなので、勉強の時間はこちらに寄せることになります。 情報セキュリティの4問は事例から対策を選ぶ型が中心で、科目Aの知識が効きます。

混ぜやすいところを潰しておきます。 16と4は出題数の内訳で、前の節の19は評価に使う問数。 別の切り口なので、足し引きしても意味は出ません。 19問が分野ごとに何問かは要綱に書かれていません。 そこを推測で埋めないのが、この手の数字との付き合い方です。

4. 満点は1,000点、線は600点

図5 満点はどちらも1,000点、線は600点に引かれています

図5:満点はどちらも1,000点、線は600点に引かれています。

点のほうを見ます。 科目Aも科目Bも1,000点満点で、基準点はどちらも600点です。 科目ごとに別の目盛りが立ち、それぞれに同じ高さの線が引かれている形です。

2科目あわせて2,000点満点、という数え方はしません。 どちらの科目でも同じ数字なので、覚えるのは2つです。

5. 両方が基準点以上で、はじめて合格

図6 右上の区画に入ったときだけ合格になります

図6:右上の区画に入ったときだけ合格になります。

合格の条件は、両方の科目の評価点が基準点以上であることです。 横に科目A、縦に科目Bの評価点を取ると、合格は右上の区画だけになります。

図6の点を読んでください。 科目A 650点・科目B 640点は、どちらも線より上なので合格です。 科目A 850点・科目B 560点は、科目Aが相当高くても不合格。 合計でも平均でもないので、片方の高さでもう片方を埋めることはできません。

勉強の組み立てにもそのまま効きます。 得意な科目を伸ばしても、苦手な科目が600点に届かなければ結果は変わりません。 低いほうを600点まで持ち上げるのが先です。 科目Bを後回しにしない理由が、この図にあります。

6. 評価点は、素点の割合ではない

図7 素点の割合と評価点は、同じ目盛りではありません

図7:素点の割合と評価点は、同じ目盛りではありません。

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。 評価点はIRT(Item Response Theory)、日本語で項目応答理論と呼ばれる考え方をよりどころに、解答の結果から出されます。

だから、何問正解したかの割合が、そのまま評価点になるとは限りません。 素点は正解の数を数えた点、評価点は解答の結果から算出された点で、別の目盛りです。 600点という線は、あとの目盛りの話です。

受験のまとめ記事でよく見かける「6割正解すれば合格」という言い方は、正しくありません。 要綱に書かれているのは評価点が基準点以上で、素点の割合ではないからです。

とはいえ、受験する側のやることは変わりません。 解ける問題を増やすだけです。 覚えるのは「600点は評価点の線」の一言です。

7. 受けたいときに受けられる

図8 決まった期日を待たずに、日付のほうを選びます

図8:決まった期日を待たずに、日付のほうを選びます。

実施の形も押さえます。 基本情報技術者試験はコンピュータを用いる方式、いわゆるCBT方式で行われ、随時実施です。 紙の冊子に鉛筆で書き込むのではなく、会場の端末の画面で解答します。

随時というのは、決まった日を待つ形ではないということです。 自分の仕上がりに合わせて受験日を決められるのは、勉強の進め方としてかなり大きい話です。

画面で解くことにも慣れる価値があります。 紙に写して追う癖だと、当日は画面とメモを行き来します。 これはトレースの回で見ます。

8. 科目Aが終わったあとの、最長10分

図9 休憩は最長10分なので、0分から10分までの幅があります

図9:休憩は最長10分なので、0分から10分までの幅があります。

同じ日に2科目を受けるので、あいだに休憩があります。 コンピュータを用いる方式なら、科目Aが終わってから科目Bを始めるまでに最長10分の休憩を取れます。

気をつけたいのが「最長」です。 10分と決まっているのではなく、10分までの幅があるという書き方です。 短く切り上げて科目Bへ進むこともできます。

この10分は、実際に効いてきます。 科目Aで詰まった問題を引きずると、100分ぶんの科目Bが目減りします。 立て直しに使えるのはこの10分までなので、科目Aが終わったら切り替えると決めておくだけで違います。

9. 科目Aには一部免除制度がある

図10 免除の対象として挙げられているのは科目Aのほうです

図10:免除の対象として挙げられているのは科目Aのほうです。

もうひとつ知っておきたい仕組みがあります。 科目Aが一部免除制度の対象になっています。 要綱で対象として挙げられているのは科目Aのほうで、科目Bは挙げられていません。

条件や手続の中身はIPAの案内に書かれているので、自分が対象になるかはそちらで確かめてください。 ここでは「そういう制度がある」「向いているのは科目A側」の2点だけ押さえます。

仮に科目Aが免除になるなら残るのは科目Bだけで、図4の16と4の比が勉強のほぼ全部を決めます。

10. 90分で60問、100分で20問を、数で見る

図11 見直しの時間を先に取ると、1問の持ち時間はこうなります

図11:見直しの時間を先に取ると、1問の持ち時間はこうなります。

最後に、出題数と時間を割り算して当日の持ち時間にします。 ここで出す数字は仕組みではなく、要綱の数字から計算した目安です。 見直しに10分、情報セキュリティ1問に3分を当てるのは、この記事で置いた前提です。 要綱には書かれていません。

科目Aは90分で60問なので、単純に割れば1問1分30秒です。 ただ、見直しを1分も残さない配り方は無理があります。 先に10分よけると解くのに使えるのは80分で、60問で割って1問1分20秒になります。

科目Bは100分で20問なので、単純に割れば1問5分です。 こちらは図4の内訳で配り直せます。 情報セキュリティの4問を1問3分で12分、残る88分をアルゴリズムとプログラミングの16問に回すと1問5分30秒です。

1日ぶんの合計も出しておきます。 90分と100分で190分、休憩を10分いっぱい取ると200分、つまり3時間20分です。 当日の体力の話としても頭に置いておいてください。

この持ち時間は、このあとの演習でそのまま使います。 1問5分30秒で擬似言語を1本読み切れるか。 読めないなら、どこで時間が溶けているのか。 そこを潰していくのが科目B対策の中身になります。

確認問題

問1 基本情報技術者試験の科目Bの試験時間と出題数の組合せとして、適切なものはどれか。
ア 90分・60問
イ 90分・20問
ウ 100分・20問
エ 100分・60問

答え:ウ
科目Bは100分・20問です。 アは科目Aのほうで、イとエは時間と問数を取り違えた組合せ。 90分と100分は数字が近いので、60問と20問のほうから思い出すと外しにくくなります。

問2 合格の条件に関する記述として、適切なものはどれか。
ア 科目Aと科目Bの評価点を合計して600点以上であればよい
イ 科目Aと科目Bのうち、どちらか一方の評価点が600点以上であればよい
ウ 科目Aと科目Bの評価点が、どちらも600点以上であればよい
エ 科目Aと科目Bの評価点の平均が600点以上であればよい

答え:ウ
両方の科目の評価点が基準点以上のときに合格です。 科目A 850点・科目B 560点なら、合計1,410点・平均705点でどちらも600点を超えますが合格になりません。 ア・イ・エはこの1例でまとめて落ちます。

問3 科目Bの分野別の出題数として、適切なものはどれか。
ア アルゴリズムとプログラミング10問、情報セキュリティ10問
イ アルゴリズムとプログラミング16問、情報セキュリティ4問
ウ アルゴリズムとプログラミング19問、情報セキュリティ1問
エ アルゴリズムとプログラミング4問、情報セキュリティ16問

答え:イ
16問と4問です。 ウの19と1は評価に使う問数のほうで、分野の内訳ではありません。 エは16と4を逆に当てたもの。 似た数字が並ぶ選択肢は、どの切り口の数字かを言い直してから選ぶと外しにくくなります。

まとめ

図12 200分の帯に、評価に使う問数と内訳、600点の線を重ねました

図12:200分の帯に、評価に使う問数と内訳、600点の線を重ねました。

覚える数字は、束にすると少なくなります。 時間と問数で90分60問と100分20問。 評価に使う問数で56問と19問。 点で1,000点満点と600点。 科目Bの内訳で16問と4問。 この4つです。

持ち帰ってほしい読み方は2つです。 1つは両方の科目が600点以上で合格。 合計でも平均でもないので、低いほうを先に持ち上げます。 もう1つは600点は評価点の線で、素点の割り算ではないこと。 IRTで評価点を出すので、正解数の割合とは別の目盛りになります。

仕組みが見えると、勉強の順番も決まってきます。 日付は自分で選べる。 科目Bの4/5はアルゴリズムとプログラミング。 ここから逆算すれば、何をどれだけやるかの形が出てきます。

次回は「合格までの学習ルート」です。 これまでの96分野の記事を、科目A側と科目B側の2本立てで読む順に並べ直します。 どこから手を付けるかで迷わないための地図を作ります。

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